既に3ヶ月も前の話となりましたが、本年度春に退居した学生様のお部屋にて、キッチンセットの扉が破損というトラブルが有りました。
破損したのは退居した時よりずいぶん前のようで、暮らしているあいだ、弊社に報告が無かったという事です。
この学生様、入居中は学校が忙しいということで、ほとんど弊社とコンタクトを取らない学生でした。
それ自体は仕方のない事ですから構わないのですが、結果的に今回の扉破損も退居の立会いまで報告も無く、放置していたという事になり、それが事態を悪化した原因ともなりました。
やはり学生様とはコミュニケーションが必要です、改めてそう感じました。
扉の蝶番(ちょうつがい)が錆びにより劣化
破損の内容はキッチンセット下の収納部分、その扉がもげていました。
扉と本体をつなぐ蝶番が錆びて劣化していました。退居の時はほとんど動きません、蝶番としての機能を全く果たしていませんでした。
蝶番の錆びは、なんでこんなことが起こるのかというと、キッチンのガステーブル下から水が垂れて、金属である蝶番が濡れるのです。幾度となく濡れた蝶番は錆びてしまったのでしょう。
要は入居者の管理不足です、ちゃんと手入れしていればこうはなりません。
おそらく具合が悪くなってきてからさらに放置したものと思われます、徐々に錆びが進行し、扉に開閉時の負荷がかかり、破損してしまったのでしょう。
早めに相談してくれれば、なぜこうなったかの原因や防止・アドバイスも出来ただろうに、放置したが故に、扉破損までいってしまいました。
ちなみに蝶番は潤滑剤を吹き付ければ元通り、よく動きました。たったこれだけで扉破損は防げたはずです。
既に新入居者は決定済み
退居の時に既に次の入居者は決まっていました、入居日も確定しています。
それまでに直さなければいけません、さていかがいたしましょうか・・・。
キッチンセットのメーカーに扉だけ注文とか出来るのだろうか?
メーカーはわかるけど型番とかの記載は本体に有りません。ホームページなど見ましたがそれらしい場所も見当たりません。
ましてや扉だけの注文など出来るはずも無く・・・。
そこで設備屋さんに相談。
設備屋さん曰く、「キッチンセット交換じゃない?」
私「え~、たった扉一枚の為だけにキッチンセット全部交換!?扉以外の場所は何の問題も無いよ~」
説「扉だけの発注なんてメーカーによっては出来ないし、そもそも在庫が無いよ。扉直せないの?接着剤とかで?」
私「無理でしょ、力が一番かかる場所だし、扉も少し腐食しているもの・・・」
キッチンセット交換も、ただホイっと交換するだけとはいかず、キッチンセットの周り壁のボードを張り替えたりしなければなりません。
じつはその周りの工事代などが、キッチンセット本体の値段より高かったりします・・・。
キッチンセット交換は最終手段
以前も書きましたが、キッチンセットの不具合は修理がききにくく、何かあるとすぐ全部交換となってしまいます。
普通の考え方だと、なんで?って感じなのですが、すぐに大げさな工事となる場合が多いです。
オーナーへの説明もやっかいなので、交換は最終手段です。可能な限り現キッチンを利用できる方法を考えます。
木工製作所へ相談
大工屋などにも相談しましたが、イマイチ明確な回答を得られず、それならばと今度は木工製作所へ相談。
テーブルや椅子などの製作を手掛ける会社を知っていました、そこへ壊れた扉を持ち込んでみました。
私「これと同じモノを作ってほしいのですが・・・」
木「出来ますよ、了解です」
私「やった~!」
全く同じとはいかずとも、留め金具や取っ手などは流用して、同じような扉は作れるとのこと。
破損は一枚だけですが、見た目もあるし、左右二枚新しく作りましょうとなりました。
ただし、製作所ですから扉を作るまでで、最後のその扉の設置はわたくしがするという事になりました。
おぅ!そのくらいお安い御用で!やってやらぁ!
扉完成、現地で設置
4~5日後に完成しましたと連絡をいただき、さっそく作業所へ取りに行き、そのまま現地直行です。
実は取り付け時は、既に新規入居者様は入居済みで、扉無いですけどちょっとがまんしててください、と事前に承諾をいただいておりました。
そして取り付け完了。見た目以前と変わらず、いたって普通に扉付いています。
とても壊れていたとは思えませんね。
今回の修理は、キッチンセット交換工事となった場合の1/10程度の費用で済んでいます。
こんな対応も賃貸管理会社の腕の見せ所です。
なかなか良い仕事が出来たと思っています。
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