公図の楽しみ方教えます

法律
公図って何よ!

みなさま公図ってご存知ですか?

あまり馴染みがないかもしれません。

わたくしたちが暮らしている土地には、それぞれ所有者がいて、境界が有ります。
お隣さんとの境界だったり、道路や川との境界も有ります。

そういう境界を図にして、法務局に登記という名の保存をしてあります。それが公図です。
いざこざが起きないため、はるか昔、明治の頃から行われ現在までそれが引き継がれています。

公図と航空写真

公図についていろいろ話すと延々となってしましますので、今日はその公図にある情報が、現実としてどうなっているのか、簡単ですが調べてみました。

まずは公図です。

ある場所の公図

線が境界です、数字はそれぞれの土地の番号(地番)です。

地番は住所のようなものですが、住所とは違います。
たまにこの地番がそのまま住所になっている場所もあります。

そしてこの公図の航空写真がこちらです。

平成19年度航空写真(国土地理院参考)

大きな地図を拡大しましたので、かなり粗いですが、同じ場所だということはわかると思います。

並べてみましょう

公図を当てはめてみた

中央右下にある分譲地はキレイにそれぞれのお宅に境界が引かれています。
道路とおぼしき場所に数字が入っていたりいなかったりします。これは過去の経緯によって変わります。
公図に「水」と書いてあります。水路です。しかし現在は本当に水路なのかはわかりません。
この公図のちょうど中心あたりでY字に分かれている水路の右側は、航空写真ではただの畑のようになっています。このように以前は水路だったのかもしれませんが、長い歴史の中でその水路が無くなっていたります。

公図左側地番691、692、693は航空写真では一団の畑か何かになっています(果樹園だったかも)。
現地ではひとつの畑でも、実際には境界があるということです。そしてそれぞれ所有者が違っている場合もあります。

ある地主が亡くなり、相続として子供3人がこの土地を所有、長男が一番広い693、次男三男は692と691を相続した。とりあえず相続したもののそのまま、今現在。

そんな仮説が立てられます。実際にはわかりませんけど・・・。

公図と現実は必ずしも同じとは限らない

このように公図と実際の場所は必ずしも同じになっておりません。それは先ほど言った明治からの長い歴史が有り、土地の改良や所有者が代わり、徐々に変遷していっているのです。

都度公図の書き換えをすれば良いのですが、実際にはそのような事務手続きは煩わしく、費用も手間もかかるためまず行われません。
公図が書き換えられるのは、必要があった場合にほぼ限られます。

それではもう一枚航空写真を

昭和36年の航空写真です。

これだと先ほどのY字水路の右側が写っています。その先のカギのようになっている水路の場所も判別できますね。

もうひとつ左下端にある、斜めに隅切りのように色が変わっている場所が、公図では道路(道路というかあぜ道)のようになっており、それが昭和36年には実際に存在するのがわかります。
平成19年の写真を見てください、それらしい道は既に有りません。

公図から見て取れる、その場所の歴史

このように以前はあったものが、現在は無い、その歴史を公図は教えてくれます。
航空写真と照らし合わせ、変遷を考察する、現地に行って、その証拠を見つけてみる。


楽しくないですか?


え?楽しくない?

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