わたくしは毎年たくさんの学生様を見送ります、賃貸物件の退居の立会いをする立場でございます。
学生様ご本人にはいろいろと思い出の詰まったお部屋でしょう、それの最後を見届けます。
いろいろお世話になりました、と丁寧に写真など撮る学生様もいらしゃいます。
そんな学生様が愛おしくもなります、これからも元気に頑張ってね、と送り出します・・・。
な~んて書き出しましたが、本日はそんな傷心も吹き飛ぶような、びっくり仰天な退居立会いエピソードです。
普通の暮らしをしている学生様のはずだったが
弊社は学生様には家賃を持参してもらってます。
毎月顔を出してもらい、様子をうかがい知る事も仕事の一つと思っております。
月一でも顔を見る事で様子がわかり、コミュニケーションを取っています。
今日の主人公も普通の大学生様、他入居者様と特に変わるところはありませんでした。
ちょっとおとなしい子だとは思っていた、男子大学生です。
通常通り、卒業して退居することとなりました。
退居立会日、お部屋に伺ってビックリ!!
引っ越し当日、お部屋が空っぽになったので、退去の立会いをして欲しいと連絡があり、わたくし向かいました。
普通に室内の確認をしていましたが、居間、キッチン、トイレ、問題有りません。
しかし!浴室をみてびっくりです。
ユニットバスの浴室の天井がわたんでます、そしてポタリポタリと水滴が落ちているのです。
私「え!?これはなに・・・???」
一瞬理解できません、直前までお風呂入っていたのかな?いやそんな状態とは違う・・・
私「これって二階からの水漏れじゃない?」
彼のお部屋は1階です、2階は別の入居者が暮らしています、その2階の入居者の浴室から漏水しているようです。本人に問いただします。
私「これどういうことかわかる?」
入「お風呂場は湿気がこもるから、それが水滴になって垂れているのかと思ってました」
私「そんなわけないだろ、この水滴はずっと続いているでしょう。きみがお風呂に入った程度ではこんなに水滴は落ちてこないよ」
入「そうですか・・・」
私「そうですかって・・・」
2階からの水漏れを、自分の入浴による湿気と勘違いしていたようです、通常ではありえない事ですが、いまさらそんな事を言ってもはじまりません。
すでにどれだけ水漏れが続いていたかもわかりません。
ユニットバスの天井裏には水が大量に溜まっており、わたくしはうっかりその天井に付いている点検口を開けた瞬間に、モロに頭からその水をかぶってしまいました。
ユニットバスは内側は当然水に強いですが、外側は水をかぶる事が前提に無いので、長期間水で濡れたユニットバスは、なんだか腐食したようなゆがみ方をして、すでに元通りになるような気がしません。
私「あ~あ・・・どうすんだよ・・・(ずぶ濡れのわたくし)」
善管注意義務違反の極み
善管注意義務というものがあります。
善良な管理の元、一般的・客観的な注意をしなければならない義務、ということです。
不動産賃貸の場合ならば、お部屋で何かトラブルがあった場合、その内容を報告しなければならないということです、放っておいてはいけないのです。
それが自身が原因か、他が原因かはあまり関係が有りません。自身のみしか知り得ない場所で起こった問題、つまり他、弊社のような管理会社やオーナーさんが気づくことができないようなところのトラブルは、一般的・客観的な範囲で報告せねばなりません。
彼はそれをしませんでした、「善管注意義務違反」です、それも相当の。
修繕にかかる費用の負担を強いられます
2階の水漏れの原因に彼は関係が有りません、水漏れの原因は水道管配管の劣化による漏水でした。
漏水の修理は非常に簡単です、費用としても数千円レベル、オーナーさん負担で解決です。
しかしこの再起不能となったユニットバスはどうしたもんだか、ユニットひとつ全取っ替えってことでしょうか・・・そうでしょうね・・・そうならざろう得ませんね。
恐ろしい、いくらするんだろう。
詳しくはお伝えできませんが、数十万円から百万円規模の修繕でした。
その費用負担ということですから、3~4万円の賃貸物件に住んでいた彼の状況からすれば、とんでもない負担割合となります。
詳細はお伝えできませんが、ご想像くださいませ。
みなさま借りているお部屋で、自分のせいではないけど、何かが壊れたとか、何かヤバいことが起きているとか、そういう時はとにかく報告してください。
報告しなかった事で責任を問われる場合があります。
弊社もこの事件以降、普段の家賃持参の時やちょっとしたきっかけが有った時に、「お部屋の方は問題ないかい?」とこちらから問いかけるようにいたしました。
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