不動産屋には元付業者と客付業者という、二通りの業者がおります。
初めてこの言葉を聞いた方はなんだそれ?ってところでしょうが、賃貸・売買いずれも契約が存在する場所には必ずこの言葉が付いてきます。
本日はこの二通りの業者のご説明をいたします。
不動産屋はどちらの業者にもなれる
一つの不動産屋は、各々の契約について、元付けになったり、客付けになったりします。
こっちの契約は元付け業者だったのに、あっちの契約は客付け業者、そんなことも良くあります。
ただ元付け、客付けどっちが得意だったり、そちら向きだったりするのは、日頃の業務の方法や、その会社の歴史に影響したりします。
ちなみに弊社は圧倒的に元付け業者向きです、元付け業者の業務が大半です。
それではそれぞれの特徴を見ていきましょう。
元付け業者の特徴
元付け業者とは、物件所有者(オーナー様・地主様など)から依頼を受けて、賃貸募集や売却をいたします。
元とはこの物件所有者様のことです。該当する不動産ということですね。
弊社のようなそれぞれの土地に根付いた不動産屋はだいたいこのタイプの不動産屋です。
昔から地元に関係を築いて、依頼を受けて、お仕事をさせていただいております。
また最近は大手の不動産屋もこの元付業者として、仕事をすることが多くなりました。
情報化が進むなかで、今までは地域のみでしか発信出来なかった内容が、ネットなどによりすぐに誰でも発信出来て、またそれを知ることができるようになりました。
弊社のような街の不動産屋としては、驚異でもあるのですが。そこは今度は客付け業者として立場を変えて、お仕事をしていくような、そんな流れがあります。
客付け業者の特徴
一方客付け業者ですが、こちらはお客様をご紹介する不動産屋ということになります。
客付け業者は広く広告を出して、それを見たお客様が問合せをして、そのお客様をご紹介していきます。
広告力のある大手不動産などがこれにあたります。集客力が有りたくさんの物件を紹介していきます。
逆に各物件の詳細はあまり知りません、へたするとお客様をご案内する物件を、業者も初めて見るなんてこともざらにあります。
不動産業界の不思議なところ
ここで不動産業では当たり前、だけどお客様はあまり知らない事実をお伝えいたします。
さっきから元付け・客付けと言っていますので、なんとなくわかっているかもしれませんが・・・。
賃貸でも売買でも、一つ対象の物件が存在すると、それを広告に出す不動産屋がいます。これが元付け業者です。元付け業者はお客様向けの情報と共に、客付け業者向けにも情報を流します。
そしてその元付け業者が出した広告の情報を、客付け業者が見て、客付け業者も広告としてお客様向けに出します。
これによりある一つの物件が、二つ以上の会社から情報が出る事となります。
物件探しをしていると、よく一つの物件を複数の会社が紹介しているのを見かけると思います。これはそのせいなのです。
どっちの会社の情報も、行きつく物件は変わりません。
その情報網として、不動産流通機構なる不動産屋しか見る事の出来ない情報網があるのです。
通常何かモノを売る場合、他の会社の製品を売るとか普通考えられませんよね。
でも不動産業界は他の会社から出ている不動産を売る、賃貸するなどが普通に有り得ます。
仲介手数料の本質がわかる
なんでそんな事が起こっているのかと言いますと・・・。
今の時代ならばさほど支障はありませんが、旧前のインターネットが無いような時代では、お部屋探しのお客様は、お部屋の情報が極端に少ない為に、思うような物件に住むことが出来ないなど当然に起こっていました。
もし先ほどの不動産流通機構なるものが存在しない場合、お客様は元付業者にたどり着かない限りその物件を購入・借りることが出来ません。それではお客様である購入者・借り手側、また反対側の売却側・貸し手側にも不利益が生じます。
多数ある不動産を円滑に流通させるために、そのような情報網は必要不可欠なのです。
そして不動産屋はそれらの仲介をすることで、仲介手数料なる費用をいただき、運営を行っております。
他の会社のモノを紹介し、仲介手数料という名目で、利益を上げているのです。
元付け業者と客付け業者の両方を引き受ける
さてここまで話をして、最後に一つの契約に二つの業者が介在すると申しましたが、中には一つの契約に一つの不動産屋しかいない場合もあります。
弊社のような元付業務の多い会社では比較的普通ですが、直接弊社へお越しいただいたお客様が弊社元付の物件をご契約をすれば、弊社しか仲介業者はおりません。
いたって当たり前です、お客様も不思議に思う事もありません。
でも世の中の不動産業は、今日話したような、元付け業者、客付け業者がしのぎを削って、それぞれの会社が運営をしております。
でもお部屋探しのお客様は、あまり気にする必要はありません。そんな構造になっているよという程度でかまいません。
お部屋探しの時に訊ねてみても良いかもです
でもひとつ、もし聞く事が出来るのならば、物件を見た時に不動産屋さんに、「この物件はどなたが管理しているのですか?」と訊いてみても良いかと思います。
うちではありません、と言ったら、客付け業者です。物件の事はあまり知っていない可能性もあります。
逆にうちが管理しています。と言ったら元付け業者です。物件の事は良く知っていて、持ち主とも関係があります。なにかと相談しやすくなるでしょう。
以上、元付け業者と客付け業者でした。
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