契約違反による契約解除の物語(実際にあったお話)

入居者様ノンフィクションドラマ
集団で物言えぬ立場だったのかもしれません

もう随分前の話になりますが、東海大学へ通う学生様で、契約違反を犯し退居する事になった方がいらっしゃいます。

本日はその方のお話をさせていただきます。

契約を守れなかった学生様

お部屋を借りる時に交わす契約書、中身はたくさんの条項が並んでいます。
それら条項すべてを守って暮らす事が基本ですが、まあ実際には入居者様は全部を完璧に守るとはなかなかいかないものです。

例えば弊社の契約の場合、賃料の支払いは毎月25日までに翌月分を支払うとなっております。
でも諸事情によりそれまでに支払いが出来ない入居者様もいらっしゃいます。26日になったり27日になったり・・・それを「おまえ契約違反だ!罰則だ~!契約解除だ!×××!××××!!」

・・・そんな事にはなりません。

ある程度の契約違反は目をつぶり、これはダメだろって場合は注意や警告を行います。
それでもダメなら契約解除(アウト)です。

なかなかそこまでいくケースは無いのですが・・・。


今回の主人公は契約解除までいきました。さてどんな契約違反?
それではお話させていただきます。

入居当時はいたって普通の学生様だった

今回の主人公の学生様は入居当時、東海大学入学が決まった故、お部屋探しにご家族で訪れました。
どんな経緯でお部屋が決まったかはよく覚えておりませんが、いたって普通の学生様でした。

お部屋探しの時にご家族でご来店された時の印象として、ご両親はこの息子様本人に対し、あまり目を掛ける雰囲気ではなく、自分の好きなように物件を探して、自分の好きなようにすれば良いという印象でした。
本人もそのつもりで、自分の気に入った物件に住み始めたという事です。

決めた物件は東海大学からは距離があり、徒歩圏内ではありませんでした。自転車やバイクなどでの通学が一般的で、彼もそのようにして通学していたと思います。

ご本人社交性が高く、友人知人の多い人柄だとすぐに想像できました。悪く言えばちょっと「遊び人」らしい雰囲気も有り、大学生活も楽しいものになるのだろうとわたくしも思っていたのです。

家賃の支払いが振込になった

弊社は学生様には毎月の家賃を持参してもらっております。当然ながらこの学生様にも持参をお願いし、当然のように毎月持参しておりました。

ところがある時、今忙しいので家賃を持っていけない、今回は振り込ませてくれ、と連絡が有り。ま、仕方が無いよね、という事で今回は振込で、と家賃を振り込ませることにいたしました。


しかしその後の家賃は、これ以降すべて振込となり、結局彼は二度と弊社へ訪れる事は無かったのです。


毎月の家賃は定期的に振り込まれていたので、こちらとしてはとりあえず問題は無いとの認識でした。
実家のご両親にも連絡を取りましたが、「本人がやっている事なので」というスタンスです。
ご両親は息子に対してある程度の距離を保っていました。ご本人この時既に二十歳を超え成人しております。
自立させるという意味では、ご両親の対応は決して間違っていたわけではありません。

そして事件発生!

そして事件発生。家賃滞納が突如始まりました。
定期的な家賃振込が突然止まると、こちらとしても身構える対応をいたします。


既に顔を見なくなってから2年以上経っています、連絡するも応答が有りません。

管理会社として当然ながら通常の物件見回りなどをしています、彼の部屋の周りも確認していましたが、普通に洗濯物などが干され、普通に暮らしをしていると認識をしておりました。

連絡しても返事が無し、現地へ行くと・・・

部屋へ向かいます、一度目は留守でしたが、二度目、日をあらためて向かうと在宅していました。

私「○○君いるかい?」
住人「はい、どなたですか?」
私「小早川商事だよ」

玄関のドアを開けてくれました。ところが開けた先の住人は・・・

・・・あんた誰?

2年以上会っていませんが、間違いなく別人です。そしてもう一人部屋の中にいます、そいつも・・・知らない。

私「○○君はどこに行ったのかな?」
住人「○○って誰ですか?」
私「は?」

もう一人の住人が「○○ってたしかここの入居者だよ」って言っています。


おい、おまえらは一体何者なんだ・・・???


年齢的には大学生、またはちょっとその上、22~25歳位の男性二人が部屋の中にいたのです。

当人が招き入れ、友人知人が遊びに来るような事は普通に有りますが、本人も知らない人間が、そこにいるって状況はなかなか有りません。


・・・頭が混乱する。

落ち着いて事情を聴く

二人の住人に事情を尋ねます。

住人「いや・・・おれらは△△ってやつから、この場所でとりあえず二日三日寝泊まりしてくれって言われているだけで・・・」
私「△△?誰だそれ、知らんぞ」

住人「△△は俺らの仲間で、▲○□×※ってグループの●×▲◆がリーダーやってる・・・」
私「ええい!ここは○○の部屋だ。お前ら出ていけ!」
住人「ええ?そうなんですか?すみませんでした!」


追い出します、当然です。


住人「あのぅ、カギが無いのですが・・・」
私「は?どうやって部屋入ったの?」
住人「窓から・・・」

お部屋は一階で、まことに都合の良い縁側が付いています。
サッシ窓の鍵をかけておかなければ、入り放題です。

つまりこの部屋はどこぞの集団のアジトだか憩いの場所だかになっていたのです。
東海大学とは無関係の集団のようです。


社交性が高く交友関係が広いかと思っていたら、どうやらとんでもない集団と関係を持っていたようです。

ご両親に報告です。

家賃滞納が引き金で、見事な契約違反が発覚してしまいました。

契約条項:住居を目的として乙(入居者)が使用することを目的とし、承諾無くして人員の増加・賃借権の譲渡、転貸をしてはならない。

譲渡、転貸もなにも本人住んでいないんだし・・・話にならん。

・・・これはアウトです。

契約解除の通達、その後

契約解除の通達を出し、今後真面目に学生生活を送り、改善するとあちらからお願いがあれば、それに応じようかとも思いましたが、すんなり解除を受け入れました。

どうやらご本人大学にも通っていなかったようです。

退居手続きも問題無く終わりました。もちろん滞納家賃も支払っていただきました。


ご本人も自分のやっている事が悪い事を承知の上で、グループの中で断りきれなったのかもしれません。
逆にこのように強制的な措置があった故、解放された。そんな印象を受けるくらい、すんなりと退居の段取りが進行したのです。

最後はそそくさと、申し訳なかったという態度で、実家から手伝いに来たご家族と一緒に退居していかれました。
今後の事はあえて聞きませんでした。


実家に帰るのか、どこか別の場所へ引っ越すのか・・・。


まぁ、彼の性格ならばどこででもやっていけるでしょう。


もしかしたら、今頃はどこかで、とても立派になっているのかもしれません。

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