弊社は学生向けの賃貸物件を管理しております、そんな訳でたくさんの学生様を見ております、また見てきました。
中には大学在学中にちょっと道を外してしまった学生様や、様子がおかしくなってしまった学生様などもおります。
そんな中からお一人、もうずいぶん前ですが、ある事件が起こったのでお伝えいたします。
入学時はとても感じの良い好青年
3月のお部屋探しのシーズンに彼はやってきました。たしかお母さんと一緒に来たと思います。
ちょっとガタイの良い真面目そうな学生様、聞けば高校時代は柔道をやっていたとの事で、ちょっと色黒で、はきはきと礼儀良く話し、愛想も良い、感じの良い青年でした。
高校も実家からはかなり遠い高校に通っていて、寮生活をしていたそうです。
そんな訳で、一人暮らしというか、親元を既に離れて暮らしていただけあって、本人とてもしっかりしており、一緒に来たお母さんも息子の事は特に心配していない、という感じでした。
一人暮らしも問題無し、のはずが
そんな彼ですから、こちらも心配することなど無く、毎月の家賃もしっかり持参してくれて、いわゆる優良な入居者ということで、ほぼ何事もなく彼の大学生活は進んでおりました。
そんな問題の無い学生様でしたが、2年経過し、今度3年生になるという春・・・。
何故か突如、家賃滞納が始まったのです。
毎月家賃を必ず期日までに収めてきた学生様が、急に払いに来なくなったりする場合は、こちらもかなり要注意となるのですが。
彼は一応連絡すれば返事が有り、どうもすみませんでしたと言って、遅れながらも家賃支払いに顔を出しておりました。
しかし、当時の彼の様子は、入学時の様子とはかけ離れており。やたらに太って顔色も青白く、どう考えても以前の好青年とは言い難い風貌となっていたのです。
彼は大丈夫かな・・・。
そして事件発生!
毎月の家賃滞納が常習化してきており、弊社もこのままではマズイと、ご実家のお母様へ相談させていただきました。
お母様も、息子が元気が無くなっていたことは承知していたようで、大学の成績もイマイチで、何かに悩んでいるようとの事でした。
でも実はこの時点で、彼は大学へは全く行っておらず、ほぼ引きこもりの状態になっていたのです。
そして次月に当然のごとく家賃滞納が発生し、弊社としても仕方ないかと本人に連絡はしていましたが、何度か連絡をすれば何回かに一回は話が出来たのが、この時はなかなか繋がりませんでした。
いよいよもって次の段階かと思った矢先、突然彼の友人と称する学生様たち数人が弊社へやってきたのです。
友「○○と連絡が取れません、彼はアパートに住んでいるのでしょうか?」
私「うちも最近連絡が取れないけれど、おそらく部屋にいると思うよ。」
友「彼のお母さんをわたしは知っているのですが、お母さんから○○の様子を見てきてくれとお願いされたのです。」
私「え?つまりお母さんも息子と連絡が取れないってこと?それはヤバいな・・・」
友「部屋の中の様子を見てきて欲しいとも言われ、アパートへ行ったのですが、アイツいるのかどうか返事もしないんですよ。」
私「ん~、わかった。一応お母さんにこちらから連絡をして、同意を得て中の様子を見てみよう。」
弊社からお母さんのもとへ連絡を入れて、お母さんもどうか様子を見て来てくださいとお願いされました。
それでは本人の住むアパートへ、友人達と向かいます・・・。
私「おーい、○○君いるかぁ~!」
・・・やはり返事なし、留守かもしれません。
玄関ドアを合い鍵で開けます、大声出します。
私「入るぞー!いないかぁ~!」
・・・ガチャリ
なんと!!ドアチェーンがかかっています!
室内電気が点いて明るいです。
私『あ、ヤベェ・・・』
ドアチェーンがかかっているという事は、本人室内にいるという事です、留守ではありません。
この瞬間、サーっと血の気が引きました・・・最悪の事態を想定したのです・・・。
私「・・・彼は中にいるよ。」
友「え?そうなんですか!?お~い!お~い!!」
これだけの友人の声に受け答えしない彼・・・もう、既に室内で・・・。
わずかに開いた玄関戸の隙間から大声を張り上げる友人達を横目に、わたしは少し離れて携帯を取り出しました。
まずは警察に連絡しなければならないかな・・・立ち合いの下、ドアチェーン破壊して室内へ。
お母さんにも連絡しないとな、オーナーにどう説明しようか・・・落ち着いて行動せねば。
友「本人出てきました~!!」
私「え゛!?」
人騒がせな学生様
本「どうもすみませんでした・・・」
私「すみませんでしたじゃねーよ、これだけみんなを心配させて。」
(・・・まぢで焦ったんだぞ!オレは)
どうして彼が引きこもってしまったのかの理由は聞きませんでした。
でも彼はこういう引きこもりにありがちな、独りぼっちという状況ではなかったのです。
彼の入学当時の人望が、結局今でもこれだけの友人達がいるという証拠であり、彼はそれを無視して引きこもっていったということです。
お母さんと知り合いの友人一人が彼の大学生活の見張り役として任命されました。
本人に何かあったら、すぐにお母さんと小早川商事にも報告をする、そんな約束を取り交わし。
本人にも「いいか!何かあったらすぐに相談しろよ!」なんて言っています。
なんて優しいお友達なんでしょう、○○君!きみは人望があるよ。
引きこもっている場合じゃないんじゃない?
その後、当然ながらこのお友達から、何かあった時の報告などは一切無く・・・
本人も、入学当初のような好青年の様子には戻らなかったものの、1年留年して無事卒業していかれました。
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