今年も暖かくなってきました、梅雨にはまだ早いですが、雨の多い時期となって参ります。
さて昨年の話になりますが、令和6年8月29日から30日朝にかけて、当秦野市を含む神奈川県西部では台風10号による影響で過去例のないくらいの降水量が有りました。
秦野市は30日朝7時前後でした、猛烈な土砂降りで、外は30m先も見えないような状況となりました。おいおいこれは大丈夫か?と思っているのもつかの間、街の低い場所はどんどんと流れ込む雨水に、マンホールなどの排水が追いつきません。あっという間に街の低地は浸水してしまいました。
お隣平塚市の気象地点でのデータによると1時間に50mm近い降雨があったようで、8月の24時間雨量としては観測史上最大を記録したようです。
そりゃ溢れるわな・・・。
そんな当時の様子を写真と共に、そして不動産屋なので市が発行しているハザードマップ(浸水想定エリア情報マップ)はどれだけ有効なのよ、ってとこも検証するということで。
今年のこれからの季節に、あの時を思い出し少しでも防災に役立てれば、そんな思いで書いてみます。
令和6年8月30日早朝の出来事
台風10号の影響は全国に渡ってあり、決してわたくしの住む神奈川県秦野市に限ったことではありませんでした。
特に九州地方では暴風や大雨による影響が激しく、死者も出るような状況で、そのような場所に比べればこちら遠く及ばない影響ではございましたが、それでもわたくしは生きている限り、こんな大雨降った事あるかな?ってくらいの状況でしたね。
台風の中心部は遠く離れた西日本にある状況で、8月30日朝方、線状降水帯が神奈川県西部で発生、風はさほどでもありませんが、大量の雨が降りました。
街の低地は浸水被害が有り、丘陵地やちょっとした崖などがいたる所で崩れました。
台風通過後の市内様子をうかがうと、崩落個所があちこちに有り、あれこんなところも崩れてる、あっちもだ、え?こっちも崩れているよ、そんな感じで、見えない場所を含めればどれたけ崩落個所があるかな、そんな感じでした。
国道206号線善波トンネル崩落、小田急線東海大学前~秦野間盛り土流出
その中でも近隣大きな被害は二つ、国道246号線の善波トンネルという峠の入口が崩落、車がぎりぎり埋まらずに済みましたが、間一髪といった感じ、当時の動画が今も有りますね、URL貼っておきます。
【「死ぬかと…」】土砂崩れ“瞬間”ドラレコに一部始終 台風10号の影響 神奈川・伊勢原市
現場にも行ってきました。以下令和7年3月時点での状況です。




もう一つの被害が小田急線の土手流出。小田急線東海大学前駅秦野駅間の土手が崩れ土砂が流出しました。
これにより伊勢原駅~秦野駅間がまる2日ほど不通となりました。よってそのあいだにある鶴巻温泉駅および東海大学前駅はこの間、電車が来ませんでした。
二日間電車来なかったのですよ、信じられます?時間が止まったかのようでした。
東海大学は夏休みだったので、学生様に大きな被害はありませんでしたが、ただでさえ閑散としている8月の夏休み期間、電車が来ないだけで、なんて静かな駅前なのでしょう!ひっそり静まり返っておりました。
こちらも現場行ってきました。




ハザードマップ(浸水想定エリア情報マップ)
いつの頃からでしょうか、各市町村には自治体が発行するハザードマップという情報マップがあります。
洪水被害、浸水被害、土砂災害、津波浸水など、それぞれに起こり得る地域場所を市町村地図に色分けされて表示されています、誰もが一度はご覧になった事があるのではないでしょうか。
自分の暮らしている場所が、対象となっているエリアだったりするとちょっとがっかりしますね。予想はしていたけど・・・やっぱりね、みたいな。
予想外だったりすると、かなりびっくりしますよね、ええ~、土砂災害警戒区域?!それらしい場所が無いような気がするものの、あの遠くに見えるあそこから土砂が流れてくるって事かい!?信じられん・・・誰か責任取れっ!(いえ自然災害ですから無理っす)
想定エリアには誰が決めた?知らなかったぞ!おかげで資産価値が下がったぞ!
市役所か?市役所の担当者に責任取らせるか?買った時の不動産屋に文句言ってやろうか?令和2年8月に法律改正しており、購入時に買主様へハザードマップの説明義務が発生しました、以前にブログで書きました。それ以前だったら免責ですかね不動産屋。
不動産屋も大変だ~(あ、オレもか)
自然災害など予想の範疇で収まるなど思わない方が良いです、東日本大地震から14年ですが、全く思いもしない出来事だったですものね。
よってハザードマップの情報も鵜呑みにしない方が良いです、全く無視するものでもありませんが、不動産屋が説明しなければならない対象エリアから、わずかに外れているからと、すべて安全安心!そんな訳ないです。
不動産屋も説明義務が無いからと、隣接する対象地については一切説明しないでは、あまりにも無責任かともちょっと思いますね。
「ハザードマップ見ておいてくださいね」こんな一言で良いかもですね。
さてそれでは実際の被害写真が、少ないながらも有りますので、それらの写真とハザードマップの情報がどれだけ整合しているのか、調べてみましょう。
被害状況(写真付き)
ハザードマップと整合性を取る前に、現場の被害状況を解析します。
今回実際に浸水被害が起こりましたので、ほんの小さなエリアでの調査ですが、写真と共にお伝えいたします。
場所は鶴巻温泉駅周辺です。
周辺から比べると低地に有り、周辺の山、丘から水が流れ込んでくる地形になっています。
写真と一緒に写した場所もグーグルで表示してみます。
写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

写真6・7


以上現場よりお伝えいたしました。
ほんの僅かな時間だけの浸水被害
あっという間に水かさが増して、引いていきました。おそらく30分となかったと思います。
いわゆる内水被害というやつですね、排水が間に合わず溢れてしまう現象。なのでエリアの入水量が排水許容量を超えると、どんどんと水が増えていき、排水能力が入水量を上回ると水が引いていく・・・。
話には知っていましたが、実際に見るとへぇ~、ですね。
でも浸水被害を受けたお宅は一瞬でも床上まで水が来たら、もうお部屋の中は泥だらけですよ・・・。
車も復活するのでしょうか。
その後の後始末は数日かかっておりました。
ハザードマップとの整合性は
今回の浸水被害をわたくしなりにマップに表記してみました。
各場所を写真撮りながら歩いていたのでタイムラグが有ります。一番浸水していた時間はもっと広範囲に及んでいたはずですが、おおよそこんな感じです。
さて秦野市から出ているハザードマップの情報は以下です。
地図に青く書かれている場所が浸水想定エリア、横線や○ポチの違いは浸水深の違い。

ん~~同じような感じの所もありますが、ずいぶん違う所も有りますね。
②エリアはほぼ一緒、すごいですね。でも①エリアはずいぶんと違います。予想範囲より実際は大きく被害が有りました。おそらく西側(左側)から大量の水が流入したせいです(写真4の方から流入した)。
③エリアは反対に予想範囲より実際は被害が小さいです、ほんの僅かですが遅れて行っていますので、その間に水が引いた可能性も有りますが。
結果
ハザードマップはそこそこ当たるが100%では無い、もちろん降雨量により違いはあるだろうが、参考程度で判断した方が良いかと思う。
まとめ
秦野市ハザードマップのほんの小さなエリアでの検証結果ですので、市内全体での情報からすれば微々たるものです。
ひとつひとつの地域について、ここは危険か危険ではないかを、すべて正確に把握することは不可能かとも思います。
でもそこに暮らしている方々にとっては、被害が有るか無いかは僅かな違いでも、損害は大きく変わります。とても大事な事です。
今回の被害状況も、浸水想定エリア外での浸水も確認されました。思いもしない出来事だったいう方もいらっしゃると思います。
どなたが作っておられるのか知りませんが、都度再調査など行い更新していただけるとありがたいですね。
おや?

なんと!更新されてました!!令和7年1月にです。
そして想定浸水エリアがかなり広がっています!!


しれっと書き換えているとは。
・・・やるな秦野市役所防災課
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