弊社は賃貸物件の管理を中心に仲介業務等行っております。
さて、今回は賃貸物件の契約金(初期費用)について、お客様とのやり取りで、トラブルとまでは言いませんが、ご相談があった内容です。
以前仲介手数料が高い事について書きましたが、今回はその他費用含めた全体の契約金についてをお話させてくださいませ。
賃貸物件に住もうと思い、借りようとするご契約者様と、契約時に必ず発生する契約金(初期費用)です。
タダでは住めません、幾ばくかの費用が発生します。
それって高い?安い?
契約金の明細お伝えいたします
金銭感覚は人それぞれ、お客様それぞれです。
お部屋ご案内して、さて申し込みとなった時点で、契約金のお見積を御提示いたします。
するとその瞬間に、顔色が変わるお客様がおります。
わたくしは見逃しませんよ~。
顔色が変わったお客様には丁寧に明細を説明いたします。
もちろん納得していただけると思っておりますが、どうにも腑に落ちない感じ・・・。
詳細は理解できるのだが、全体の金額が思っていたよりかなり高いようです。
ネットでの情報ですと、契約金(初期費用)にかかる費用はだいたい家賃の4~5ヶ月分って書いてある事が多いです。
・・・はい、その通りだと思います。
具体例で申し上げましょう。
賃貸借契約金の明細お伝えいたします。一般的賃貸物件のごく平凡な条件での契約です。
賃料3万円の物件を借りると仮定します、3万円が高いか安いかは置いておきましょう。
○契約金明細○
礼金無し
敷金30,000円
仲介手数料33,000円
前家賃30,000円
火災保険18,000円
保証会社利用料20,000円
合計131,000円
賃料の4.3ヶ月分となりました。
弊社の標準的な管理物件を借りようとすると、一般の方の場合こんな感じです。
学生様の場合、もう少し安いんですけどね。
他カギの交換を希望されたり、保証会社のプランによって、また入居日によっては日割り家賃となりますから、多少金額の前後はしますが、だいたいこのくらいです。
どうですか?高いですか、安いですか?
思っていたより高い契約金だと思っていると思われるお客様
家賃3万円の賃貸物件で、最初に係る費用が131,000円でした。
入居した日から一ヶ月分の家賃も含まれています、とりあえずこれだけ払えば一ヶ月間はお金がかかりません。
ご承知おきくださいませ。
本当にご承知おきください、そんなに安くは入居出来ません。
2万円の家賃の物件でも、契約金(初期費用)は10万円くらいにはなるって事です。
「え?なんで??」って顔されるお客様おります。
5万円くらいかと思っていた、なんて言われると、力抜けちゃいます。
金額を聞いたとたん、まるで騙されたかのように、お店出て行かれる方おります。なんかこっちが悪い事したような気がしてきちゃいますから、やめてください。
契約金(初期費用)を安くする為のアドバイス
なんとか安くならないか?
もちろんそんな相談も受けます。
ん~~そうですねぇ・・・
先程の具体例明細を参考にすると、安くできるのは敷金を預からない(敷金は預り金、退居時にお返しするお金です)、または前家賃を無し(フリーレント)にする、くらいは出来る可能性が有ります。
オーナー様の確認と了解は必要になりますが。
仲介手数料は勘弁してください。
でもね、敷金なんて預けているだけだから、退居時(解約時)に戻ってくるお金が有るか無いかだけなので、預けなければ退居時にその分の費用がかかるだけです。
そして預けていなければ、万が一の滞納時などに信用保証が無いので、即退居、とまではいかなくとも猛烈な督促があるでしょうね。そういったリスクが有る事は覚悟しておいた方が良いです。
前家賃もフリーレントとして、初回月をタダにする、なんてよくありますが、引っ越ししたてのお部屋は意外に暮らすのに準備がかかるもので、契約開始日=即通常の暮らし、そんな事が出来る順応性高めエキスパート賃借人様はなかなかおりません。
ということは、暮らしているんだかいないんだかよくわからない部屋の家賃が無料になるかならないか、って事がどれだけ重要な事なのだろうか?
・・・って思うのはわたしだけ?
わたくしは契約金の合計金額だけを見て、高い安いと判断する事より、他で無駄を無くす事を考えた方が良い気がします。
例えば引っ越し前の暮らしている場所も賃貸ならば、とにかく引っ越しを短期間で済ませ、旧賃貸部屋、新賃貸部屋の賃料発生の重複期間を可能な限り減らす、これが一番費用安く済ます効果的な方法かと思います。
よく時間が有るから、業者に頼まずに自分で引っ越し前の場所から引っ越し先へゆっくり少しずつ物を運ぶ、というお客様いらしゃいます。
両方賃貸だったらこれかなりもったいないですよね。
先に引っ越し先を見つけて契約したものの、現賃貸物件の解約届の提出が遅れて(基本一ヶ月前予告ですね)、住んでもいない部屋に家賃払い続ける・・・そんなうっかりさんもいらっしゃいますね。
住まいを変えるという事はかなりお金がかかる事です。日常的な事ではありませんので、予想外の出費が発生する可能性も大きいです。
つまり計画を入念に立てて実行する事が、余計な出費を出さずに済む一番の方法なのではないでしょうか。
契約金(初期費用)のその後の費用
もう一つ、契約金のみに注意が行って、その後の暮らしているあいだにかかる費用については無関心っていうお客様もいらっしゃいます。
ご注意ください、毎月の支払は家賃だけではありません、管理費、共益費くらいは家賃と一緒に毎月支払う金額とすぐ意識できますが、24時間サポート代、保証会社引落手数料などなど、家賃に比べれば少額ではありますが、何かと毎月かかる費用があります。
また一年おきの保証会社の利用料、二年経った後の更新手続き費用、火災保険の更新料、そして退居時のクリーニング代・・・。
先程の敷金もそうですが、最初に安く済ますと、その後の入居中、退居時などに高くつく場合が有ります。なので初期費用が安く入居しやすくなっている物件は要注意ですよ、暮らしているあいだのトータルでの支出は、結果高くなっていた、なんて事も有り得ますから。
入りやすい分、出にくくなっていた。賃貸物件限らずよくある話ですね。
最後にエピソードを一つ
弊社は比較的安い賃料帯の物件を扱っております。
2万円台などはざらです、1万円台なんて賃貸物件も有ります。1万円台ですよ、都心だったら月の駐車場代にもなりませんね。
そんな訳で、あまりお金の無い方からの相談も多いです、それは全然良いのですが、あまりお金の無い方でなく、全くお金の無い方からも相談を受けます。
先程通り、どう安い賃貸物件に暮らそうとも最初に10万円くらいの現金が必要です、引っ越し費用も含めればもう少し必要ということになりますか。
そして全くお金の無い方からの御相談は・・・お受けする事が出来ません。
申し訳ございません(いや当然っちゃ当然なんですが)。
以前あったエピソードをひとつ・・・
申し込みが有り、契約金の話を始めると
客「月賦(げっぷ)で支払いは出来ないか?」
私「・・・は?」
客「月賦だよゲップ、知らないの?こんなにお金無いもん、月割で支払っていくからさぁ~」
私『久しぶりに聞いたなぁ・・・月賦ってワード。契約金の月賦払いなんて聞いたことがないよ』
私「申し訳ございませんお客様、月賦でのお支払いはお断りしております」
客「え~そうなのぉ?、じゃあ契約出来ないなぁ・・・」
なんだなんだ!?あんたのせいで契約出来ないけどイイの?的なマウント取ってくるお金の無いお客様・・・。
イヤイヤ・・・契約金月賦で支払い続けて、毎月の家賃いつ払うんだよ。
みなさま、お部屋探しは、そこそこお金を貯めてからお探しくださいませ。
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