アパートに鳥の巣が出来た!撤去する!?

不動産屋のお仕事
かわいいツバメのヒナ達、こんなの撤去出来ないよ。

弊社賃貸物件の管理をしております。

管理をしていると、入居者様よりいろいろなご相談を受けます、今回はタイトル通り「鳥の巣が出来ている、なんとかしてくれ」です。
ちょっと珍しい相談・・・。

5月6月は子育ての時期です

季節柄、巷の野鳥たちは子育ての時期です。ツバメなどは軒先やちょっとした庇(ひさし)の有る場所に、人目も気にせず巣を作ります。

ツバメはあえて人のいる場所に巣を作るらしいですね、人の目を利用して天敵のカラスなどから身を守るということらしいです、なかなかしたたかなツバメさんです。

頭の上あたりにある巣から、ちょこんと顔を出したヒナなどは可愛いもんです。無事に巣立ってくださいな、って思います。


さて今回は入居者様から相談受けました。
「なんとかしてくれ、撤去できないか?」そんな相談。
「え~そんな可哀そうな事出来ませんよ、とりあえず現場見て対応しますね」


温かく見守っていれば良いではないか、冷たい入居者さんだな。
多少の糞は落ちてくるかもしれないが、それもちょっとの我慢だ、ほんの1ヶ月程。


そう思いながら現場へ行くと・・・


・・・どうやらそんな、のん気な感じではありませんでした。

現場はアパート一階通路

連絡を受けた入居者様の玄関先ということで、敷地内に車を停めます。
そして玄関前へ向かおうと車のドアを開けると、すでに何やら不穏な気配が有ります。

どこからか鳥の声が聞こえてきます、なんとなく嫌~な感じを受けながら、
現場の玄関近くまで行くと、パッと足元に青い鳥が舞い降りてきた!!

お?
サイズ的にはムクドリ・ヒヨドリサイズ。スズメ・ツバメよりは一回り大きいです。

そして大きな鳴き声で威嚇してきます。

おおっ!?

この鳥か!

見上げて巣の確認をしようとすると、いきなり頭めがけて飛んできた!?

こわっっ!


・・・すかさず避難


どうやらアパートの一階、通路の天井部分の鉄骨の隙間に巣を作ったようです。
玄関扉の上、ものの数十センチの距離。


なぜココに・・・。

正体は最近お気に入りの鳥でした

鳥の種類はイソヒヨドリ、オスは青色の綺麗な鳥です。
幸せの青い鳥、などと言うようです。

こちらイソヒヨドリの雄、綺麗ですね。

最近すっかり市街地に定着した鳥ですが、もともとは名前の通り磯にいる崖が生息地の鳥でした。ビルなどの高層建築が増えて、都市部も生息域となったようです。よくビルやマンション、電柱の高いところで、ピーピロピーピロ鳴いているのを見かけませんか。

鳴き声はとても綺麗で、さらにオスは青色をしているので、とても魅力的な鳥です。人に対してもあまり警戒せずに近くまで来る場合もあります。

朝まだ早い時間、天気の良い時など、静かな街並みに遠くでイソヒヨドリが鳴いているのをよく聞きます。とても綺麗な鳴き声で癒されます。
わたくしに限らず、そんな経験をしている方は多いのではないでしょうか。


そんな好印象のイソヒヨドリでしたが、子育てとなると様子が変わるようです。


ギャー!ギョィー!ギョェー!×××!!

・・・そんなに怒るなよ、様子を見にきただけだよ。


近寄ろうもんなら、頭つつかれそうです。スズメのように小さくありません、流血事故になりそうなレベル・・・。
かなり攻撃的です、刺し違えてでも巣は守るぞくらいの覚悟があるようです。


怖いなおまえ・・・。

こちら現場のイソヒヨドリ、なんか目つき悪っ!!(イメージ)
あ~?やんのか~てめぇ~!かかってこいよ~!(イメージ)
こちら雌、若干おとなしい、でも夫婦揃って威嚇(ピンボケ)

鳥獣保護管理法という法律

一応不動産屋なので、法律についても勉強してみました。
対象となる鳥獣は「鳥類または哺乳類に属する野生動物」だそうです。ただしドブネズミなど家ネズミは除外されています。
要はだいたいその辺にいる野生動物全部ってことだな。
最近のシカやイノシシなどの被害に考慮して、ただ保護しているだけではダメだということで、管理という言葉も追加されたようです。

そして当然ながら巣の撤去なども出来るわけが無く。

作りかけならば撤去も可能のようですが、出来上がってしまうと、巣立ちまで手が出せません。
現在既にヒナがいる状態のようです、せっせと餌を運んでいました。


そんな内容を通報してきた入居者様に報告します。

「え~撤去出来ないならば、網かけるくらいの事してよ・・・」

『はぁ!?そんな事しようと巣に近づこうものなら、頭ザクロにされちまうわ!』(言ってませんけど、そう思いました)

現場の対応

結局、入居者様には説得して、注意喚起の看板を立てる事にしました。ええ、それだけです。
はっきり言って何かあった時の自衛措置です、管理会社として放っておいたわけじゃないんだよ。

気を付けてね。鳥のやる事、責任取れませんから。

その後の対応

それから一週間程。

どうやら巣立ったようで、周辺近づいてもイソヒヨドリはおりません。
まじまじと巣を確認しようにも、「あれ?どこにある?見当たらない・・・」

なぜか巣らしいものも無くなっておりました。

撤去しようと思っておりましたが、ま、いいか。


何だろう、無事巣立ったのに、ツバメの巣立ちのような、ほっこり心温まる感情が一切無い。
やれやれ面倒事が一つ解消された、ほっとひと息って感じ。


迷惑甚だしいイソヒヨドリ、鳴き声と姿を見ているだけなら癒されるのですがね・・・。


今朝も元気にピーピロピーピロ鳴いておりました。


幸せの青い鳥?
はぁ!?(怒)

(すっかり私の中でイメージダウンのイソヒヨドリ)

マンションの手すりなどにもよくいますね

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